あの日失くした星空に、君を映して。


車で8時間だから電車ではどうなんだろうって思っていたけれど、やっぱり時間はかかる。


車でも高速道路だともっと早かったんだろうな。


景色を楽しみたいっていうお母さんの意見で国道を通って来たからさ。


それにしても、新幹線っていうと相当お金もかかっただろうし、申し訳ない。


そこで急遽、3日間私の家にお泊まりってことにしたんだけれどね。


やっぱりここは奢ったりした方がいいかな?


おもてなしって他にどんなことをすればいいんだろう。


「ここ、いい所だね。海が近いし」


カラカラとグラスの氷を回しながら、高橋さんが窓の外を見る。


ここからでも海は見えるけれど、やっぱりあの町の海が一番。


早く2人にも見せたい。


「ていうか、戸塚さん何か綺麗になった?前から可愛かったけど、なんか雰囲気変わった?」


「あ、それ私も思った!」


「そうかな…」


綺麗に…はなってないと思う。


久しぶりだからそう見えてるだけじゃないかな。


私から見ても2人は一気に女子高生っぽくなってる気がする。


もともと明るい2人だけれど、活力みたいなのが溢れてるっていうか。


すごく元気そうに見える。


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