あの日失くした星空に、君を映して。


メールで少し聞いたんだ。


進級してから佐山さんと高橋さんは同じクラスで、美和さんともう1人の子はクラスが離れたんだって。


連絡も取り合っていないらしくて、2人でいる方が前よりずっと楽しいって言っていた。


私のことも忘れないで連絡してくれたり、こうして会いに来てくれるのがすごく嬉しい。


友達なんていないって思っていたけれど、離れてから築き出した2人との関係は友達のそれと似ているのかもしれない。


親友に近いのは…やっぱり風香かな。


「あのね、戸塚さん」


突然、改まって姿勢を正す佐山さんと高橋さん。


な、なんだろう?


「戸塚さんはもういいよって言ってくれたけど、どうしても1度直接謝りたくて…あの日は本当にごめんなさい」


「あたしも…ごめんなさい、戸塚さん」


そのことはもういいって言ったのに…


頭を下げる2人に笑顔を向ける。


「もうおしまい!今は全部平気だから、そんなに気にしないで」


だってさ、あのことがなかったら私は今の町にいなかった。


そう思っただけで、もう全部気にならなくなったっていうか…


私自身、今がものすごく楽しいもん。


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