あの日失くした星空に、君を映して。


帰宅後、夜ご飯を食べてお風呂で温まると、2人はすぐに眠ってしまった。


時刻はまだ夜8時だけれど、疲れたんだろうな。


夜になると冷え込むからしっかりとブランケットをかけてあげてから部屋を出る。


お母さんはこっちに来てからよく手伝っているお店で宴会があるとかで、帰ってこられるかわからないって言ってた。


ガランとした居間にゴロリと寝転がる。


そういえば、今日は高台に行かなかった。


そんな時間なかったし、遊ぶのに夢中になっていたから忘れてた。


もう日課になってたのにな…


深影は行ってたのかな。


窓の外に隣の家の塀から漏れる光と、楽しげな深影のおじいちゃんとおばあちゃんの笑い声。


深影の声が聞きたい。


ジッと耳を澄ませてみるけれど、深影の笑い声どころか喋り声も聞こえなかった。


姿が見えないと声が聞きたくなって


声が聞こえないと、会いたくなる。


追いかけていると振り回されてばっかり。


それでも加速していくんだから、恋ってこわいね。


布団に移動するのも億劫になるほどの眠気に襲われて、そこら辺のタオルケットを引っ張りこんで眠りについた。


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