あの日失くした星空に、君を映して。
何となく窓辺に立って、朝の空気を吸い込んでいたとき
校庭に深影の姿が見えた。
「え…………?」
見間違えるはずのない深影の姿。
それじゃあ、私が深影の隣にいる女の子は幻?
親しげに笑いながら校庭の真ん中を歩く2人の姿に困惑してしまう。
誰、その女の子。
同じクラスの子じゃない。
なら隣のクラスの子?
短いショートカットの髪の毛と清楚なセーラー服の着こなし。
唯一隣のクラスとの接点である体育の時間に見たことがあるような気がする。
でも、今まで深影と話しているところなんて見たこともない。
なんで突然…?
思わず窓から身を乗り出す。
声は聞こえないけれど、楽しそうな雰囲気に胸がギュッと締め付けられた。
その瞬間、不意に女の子が自分の腕を深影の腕に通した。