あの日失くした星空に、君を映して。


追ってくる様子がないのを確認して安心したと同時に悲しくなった。


逃げたくせに、追いかけてきてくれないことが悲しいなんて馬鹿みたい。


「馬鹿だよ………私…」


何かありました、って言ってるようなものじゃんか。


この間深影と話をして、これからってときに今度は私が深影を避けた。


最低だ。


なんで逃げちゃったんだろう。


だってあんな所を見ちゃった後で深影の顔を真っ直ぐに見られる自信なんてなかった。


膝を抱えて、ジメッとした空気に全身を包まれる。


チャイムが鳴ったのも気にせずに、その場に座り続けた。


< 127 / 427 >

この作品をシェア

pagetop