あの日失くした星空に、君を映して。
「どしたん?…って!鏡華めっちゃ顔色悪いやん!体調悪いん?どっか痛い?」
ううん…違うよ。
顔色悪いって…風香が言うくらいなんだから、ひどいのかな。
「なんがあったん?」
「風香は教室に戻りなよ。授業始まるよ?」
風香の心配そうな顔を見るのは嫌だ。
なにがあったのかなんて言えない。
「馬鹿!授業なんかどうでもいいやろ!サボるくらいどうってことないわ」
「ちょ…風香…」
言い切った風香が私が座る階段に腰を下ろす。
───キーンコーンカーンコーン
ああもう、チャイム鳴っちゃったじゃん。
「1時間は自由やんな」
「なに言ってんの」
馬鹿だよ、風香は。
私のことなんか放っとけばいいのに。
けれど、そんな風香の優しさに涙が出そうになる私の方がもっと馬鹿だ。