あの日失くした星空に、君を映して。
同時に離れた手のひらの隙間から見える、至近距離に迫る深影の顔。
鼻先が頬に、唇が私の口ギリギリのところに触れていた。
少しでも顔を動かしたら唇同士が重なり合う。
震える声で、名前を呼んだ。
「深影…………」
“好き”
その言葉は、深く押し付けられた冷たい唇に飲み込まれた。
「っ…」
全身から熱が噴き出すみたいな、変な感覚。
でも不思議と嫌じゃなくて。
かすむ目を薄く開くと深影も同じように私を見つめる。
こういう時は目を閉じるものなのかな。
嫌だな。
どんな深影でも映していたい。