あの日失くした星空に、君を映して。


「深影は?」


背の差があるせいで自然と見上げる形になる。


頬が熱い。


深影が息を飲んだ音がした。


「…お前な…わかるやろ」


「わかんない」


「聞きたい?」


「うん」


ふわりと抱きすくめられて、耳元に息がかかる。


ビクリと肩が跳ねたけれど、そんなこと気にする間もなく


「好きだ、鏡華」


優しくて低い囁きが私を満たした。


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