あの日失くした星空に、君を映して。


「今日お母さん遅いん?」


「お母さん?うん、確か夜遅くなるって言ってたけど」


最近お店が大繁盛してるらしくて、閉店後の後片付けまで残ってる。


そのせいで日付が変わってから帰宅することもしばしば。


いくらなんでも遅すぎないかな…


体調を崩したりしないか心配していたのだけれど、見てる分には元気そうなんだよね。


それがどうかしたのかな。


「俺ん家来る?」


い、家!?


あ、いや、そんなつもりで言ったんじゃないことはわかってるけれど…


「そ、そんな急に言われても」


ていうか私と深影って今恋人同士…なんだよね…?


しょっちゅうお邪魔していたのに、なんか緊張する。


「じいちゃんも帰ってくるの遅いけんさ。夕飯作ってよ」


「夕飯?」


「そ。俺あんまり得意やないし」


ご飯か…


おばあちゃんが亡くなってからお惣菜とか、簡単なものばかりって言ってた。


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