あの日失くした星空に、君を映して。
「深影……」
ベッドの膨らみを覗き込む。
紅潮した頬と、少し荒い吐息。
額や首筋に汗が浮かんでいて、それを枕元にあった濡れタオルで拭う。
工藤くんにあんなことされた後なのに、こんな何でもないようなことが嬉しい。
汗で張り付いた髪を撫でる。
起きないでね…
触ったら起きてしまうかもしれないのに、それでも触れたくて。
前に深影が私の頬をつまみながら言っていた。
『鏡華のほっぺは柔らかいけんずっと触ってたい』って。
自分ではよくわからなくて、太ったかな?って思ったんだよね。
もともと童顔なのがコンプレックスでもあって、頬に丸みがあると言われても嬉しくない。
でも…こうして深影の頬を触っていると、自分の頬とは違うんだって、よくわかる。