あの日失くした星空に、君を映して。
「…なんがあった?」
膝の上で固く握り締めた手が深影の熱い手のひらで覆われる。
怯えた顔でもしていたのだろうか。
大丈夫、と頭を撫でられて、うまく吐き出せないでいた息を押し出した。
「工藤くん…に…」
「幸久…?」
ピクッと深影の眉が寄せられる。
怒ってる…?
やっぱり言わない方がいいのかな。
最低な奴だって思われたらどうしよう。
深影は急かすでもなく責めるでもなく、私を待ってくれている。
それでもなかなか言い出せなくて、黙り込んでしまう。