あの日失くした星空に、君を映して。
それでも拒絶するなんてできなくて。
したくなくて。
深影が怒りを向ける先が私なら、それを受け止めるのも私だ。
ぞわぞわと鳥肌が立つ。
どうやっても心地よいものにはならない。
唇が離れた一瞬の間に、今伝えたいことをかすれた声に乗せた。
「ごめ…ん、ね」
好き、って告げるのは胸の奥が熱くてムズムズして、もっともっと伝えたくなるのに。
こんなことを言ったって、苦しいだけだ。
「怒んない…で」
自分勝手だろうか。
深影が大きく目を見開いて慌て出す。
「怒っとらんよ」
「怒ってる」
「本当に怒っとらんけん…鏡華には」
…私、には?
じゃあ…工藤くん?
「やっぱり鏡華も風邪引けばよかったんに」
「え…なんで?」
「そしたら俺がおらんとこで幸久にんなことされんかったやろ」