あの日失くした星空に、君を映して。


怒り顔から一変、ブスッとした不機嫌な顔に変わる。


「嫌いになってない?」


「はあ?なるわけないやろ。言っとくけど、俺のが鏡華のこと好きやけんな」


「工藤くんより?」


「違う、鏡華より」


私より?


それなら絶対違うよ。


私の方が深影のこと好きだもん。


「一目惚れ舐めんなよ」


「へっ!?」


一目惚れ!?


サラッと何言ってんの。


「も、もう1回!」


「いやだ」


「ケチ!」


「うるさいよ」


う…だって、気になるじゃんか。


聞き間違いじゃないんだよね?


「そんなに不安?」


「…うん」


不安っていうか…うん。


深影よりも想っていたいって思うのに、自分の方が気持ちが大きいと不安になる。


想い合うってきっと、お互いに同じくらいの“好き”を向けられる関係なんだと思う。


それが私の理想だから。


深影が言葉にしてくれても不安になるなんて、私相当面倒なやつだ。


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