あの日失くした星空に、君を映して。
「怖がるんやないかって思った」
「え…?」
「怖がって、来てくれんかと思った」
一瞬なんのことか理解できなかった。
優しい響きが耳の奥に木霊して、ついさっきまで学校で風香と話したことを思い出す。
「わかっ…てたの?」
知らなかった。
私だってついさっきまで、解決した気でいた、乗り切れている気でいた。
だから深影もきっと私の過去を過去として終わらせているんだと思ってた。
でも…
「わかるよ。鏡華のことやったら何でも知りたい」
「っ…ずるいよ」
何で、こんなにも胸が苦しいんだろう。
深影の言葉1つじゃなくて、まとう空気とか人柄とか。
その全てに惹かれる。
あたたかくて優しい想いが胸の中に広がる。
ぬくもりも優しさも、全部深影に与えられてる。