あの日失くした星空に、君を映して。


「お疲れ様です」


「おー…すっげー疲れた。山本に文句言いたいけど、さすがに無理やな」


うん、それは無理だろうね。


というかやめた方がいいね。


苦笑しながら思い出すのはこの1週間のこと。


風香も毎日学校帰りに工藤くんの家に行ってたんだって。


謹慎中の生徒の家に行くのって本当はダメだから、バレないように。


こっそり深影と工藤くんの様子を教え合ったりしたところ、1つ疑問が残った。


「それでさ、何であんなことになったの?」


「ん?」


「喧嘩した理由!そろそろ教えてよ!」


状況を知らない私と風香ならまだしも、その場にいた同じクラスの人たちにも理由がわからないなんておかしい。


本当に突然、前触れもなく深影が殴りかかったとか。


前に深影の頬が腫れていた時、手の早い工藤くんをものすごく警戒したものだけれど、男の子ってそういうものなのかな。


…多分、違うと思う。


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