あの日失くした星空に、君を映して。


学校についたら、深影は先に職員室に行った。


課題の提出を先にしてくるんだって。


のんびりと靴を履き替えながら風香の靴箱を覗く。


深影がのろのろ歩くせいでだいぶ遅くなったのだけれど、風香はまだ来てないみたい。


工藤くんを迎えに行くって言ってたし、当然か。


「戸塚、おはよ」


「永田くん。おはよう」


後から来た永田くんが靴を脱ぎながら私をジッと見る。


かと思えば首を傾げて不思議そうな顔をした。


「深影は?一緒やないん?」


「えっ…!?あ…えっと、職員室に行ったよ。課題出してくるって」


な、なんで一緒に来てるって知ってるの?


動揺が思いっきり出てしまって、パッと顔を伏せる。


すぐに永田くんの笑い声が生徒玄関に響いた。


「いや、戸塚のことやから深影の謹慎中家に行っとったんやろうなーって。したら多分朝も一緒やと思って」


鋭いね…永田くん。


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