あの日失くした星空に、君を映して。


「おはよう、風香…幸久も」


「うん、おはよう深影」


え…今、おはようって言った?


私の前に立った深影が今確かにおはようって言ったよね?


風香と、工藤くんに。


工藤くんも普通に返事を返してるし。


ビックリしてひょこっと深影の横から顔を覗かせると、風香もピシッて音がしそうなくらいに固まってる。


だって…なんでこんなに普通なの?


謹慎後だから、一触即発…とまではいかないけれど、ピリピリした空気は覚悟してたのに。


想像を見事に裏切る清々しいほどに爽やかなやり取りに面食らってしまう。


風香と顔を見合わせてもお互いどうなっているのかわからなくて、結局深影を振り仰いだ。


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