あの日失くした星空に、君を映して。


帰りのHRが終わってすぐ、携帯を開いたらメールが届いてた。


HR終了の数分前に届いたメールは工藤くんからの短い文章。


気づいた時には工藤くんの姿がなかった。


「海で待ってる」の1文だけだったから行くか行かないか迷って、深影に相談したんだよね。


そしたらあの返事をもらったから、行くしかなくなって来たわけなのだけれど…


なかなか話し出さないし、そろそろ気まずさがピークに達しかけていた時


ようやく工藤くんが話し出してくれた。


「深影の顔のこと、ごめん。あと課題も。あいつ馬鹿だから相当時間かかったろ?」


「それ言うなら工藤くんの顔もでしょ?課題はお互い様じゃん」


深影は顔に傷がついたからって怒ったりしないし、工藤くんも似たような傷がいくつもついてる。


万一傷跡が残るようなことになれば、いずれ店先に立つことになるかもしれない工藤くんの方が心配だよ。


サラッと馬鹿とか言っちゃうあたり、やっぱり嫌悪なムードは感じられない。


違和感は満載だけれどね。


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