あの日失くした星空に、君を映して。


「何であんなことになったの?」


深影に訊いても何も答えてくれないから、工藤くんに教えてもらおう。


そう思ったのに、工藤くんは目をまん丸にした後、また笑い出した。


今日の工藤くんはよく笑うな。


「教えない。深影に聞きなよ」


「教えてくれないんだってば」


工藤くんが最後の頼りだったのに…


気になって仕方ない私や風香の気持ちも考えてほしい。


小さな笑い声が段々と消えていって、再び私と工藤くんの間に沈黙が落ちる。


気まずい…けれど工藤くんが私の右側にいるおかげで表情までは見ないで済む。


そんなことにホッとしてしまう自分に内心苦笑した。


逃げてるのは私の方だね。


こんな所に呼び出して、工藤くんが言おうとしていることが予想できないわけがない。


タイミングを見計らったように、工藤くんが口を開いた。


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