あの日失くした星空に、君を映して。


「今度また店においで。母さんも待ってるから」


突然立ち上がった工藤くんが私を見下ろして言う。


逆光が眩しくて顔がよく見えないけれど、白い眼帯だけはくっきりと浮き出ている。


「じゃあ、また明日」


軽く手を振って、早足に去っていく工藤くんの背中が見えなくなるまで、私はその場から動けなかった。


< 313 / 427 >

この作品をシェア

pagetop