あの日失くした星空に、君を映して。
蒸し暑い空気もジリジリと背中に照りつける夕日も気にならなかった。
汗でべったりと張り付く制服に不快感はあっても、足を止めたいとは思わなかった。
「深影!」
「うっわ…どうしたん、鏡華」
飛び起きる深影を見下ろして自然と顔が綻ぶ。
開け放された窓からヒョイッと顔を覗かせると、思った通りベッドに寝転がっていた深影が目を丸くした。
「入っていい?」
「いいけど…ってお前馬鹿、玄関から来い。スカートん中見えるぞ」
「深影があっち向いてくれたらいいじゃん」
もう靴脱いじゃったし。
ちょっと窓枠が高いけれど、深影のベッドがすぐそこだから大丈夫。
落ちたって深影が受け止めてくれるもんね。