あの日失くした星空に、君を映して。


ブツブツ言いながらもちゃんと顔を背けてくれた。


腕に力を込めて窓枠を乗り上げる。


「あ…わっ!」


お、落ちる…!


「っ…馬鹿!」


慌てたせいで足先を窓枠に引っ掛けた。


とっさに伸びてきた腕がぎゅうっと受け止めてくれて、思わずそのまま抱きつく。


あったかい。


深影の胸の鼓動1つで幸せだと感じてしまうなんて言ったら、呆れられてしまうかな?


色んなことに対してホッと息をつくと


コツッとおでこを小突かれた。


「…深影?」


「危ないことはすんなよ」


危ないこと…?


別に今のは怪我をするようなことじゃないよ?


深影ってこんなに過保護だったっけ。


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