あの日失くした星空に、君を映して。
「ね、深影」
「なんだよ」
「私は深影がいいよ」
深影じゃないと嫌だ。
恋をするのも、好きって言葉を伝えるのも、抱きしめ合うのも、キスをするのも。
全部深影がいい。
「あのね…私、今なら言えることがあるの」
ずっと、思ってた。
両目に深影を映したいって。
ただただ漠然と、この右眼に深影を映したいと思った。
奇跡なんだよ。
この瞳が色を映して、景色を映して
深影を見つめることができるのは。