あの日失くした星空に、君を映して。


この場所にいなかったらきっと、そんなこと気づかなかった。


当たり前が当たり前じゃなくなって初めて奇跡って言葉に当てはめるのは、ずるいのかもしれない。


それでもね、知らないよりずっといいよ。


代償とは言わない。


けれどこの右眼が色と景色とその形を失くさなければ、ここで深影に出会うことはなかった。


また別の奇跡が起こらなければ、他の出会い方はあったとしても、この町では巡り会えなかった。


そう思うとね


「この目で深影を見ていられることが一番幸せ」


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