あの日失くした星空に、君を映して。
先に抜け出してきたのか、ペッタリと髪を濡らしたまま深影と工藤くんが出てきた。
それを見て、すぐさまコーヒー牛乳を飲み干した風香が立ち上がる。
「遅いわ!あんたら長風呂するタイプやないやろ」
そ、そんないきなり大声ださなくても…
でも確かに前は深影と工藤くんの方がお風呂を出るの早かったよね?
「ごめんって。おっさん達うるさいからなかなか出れんかった」
「しつこいの知ってるでしょ、風香も」
ため息をつく2人の顔は真っ赤。
長風呂は得意じゃないって言ってた気がするし、本当におじさん達に引き留められただけなんだろうな。
見兼ねたおばさんが2人にもコーヒー牛乳をサービスしてくれて、お礼を言ってから春霞屋を出た。