あの日失くした星空に、君を映して。
「んじゃ、またメールするなー」
「うん、またね!」
真反対に帰って行く風香と工藤くんに手を振って、深影を見上げる。
上気した肌を冷ますためなのか、まくりあげられた袖から覗く腕にドキドキする。
ふにふにしてる自分の腕とは違う、ガッシリと程よく筋肉のついた腕を見ると、深影が男の人なんだって嫌でも意識してしまう。
コーヒー牛乳を飲み込む時、喉仏が上下に動くだけのことにも変に意識してしまって、パッと視線を逸らした。
「鏡華?」
「へっ!?あ、なに?」
身をかがめて顔を覗き込んでくるから、落ち着かせる間もなく心拍数は上がる一方。
私ばっかりドキドキしてるみたいじゃんか…
悔しくなって、深影の髪の毛をかき回す。
「コラ、やめなさい」
「やだ」
笑いながら冷静に言い返されるのにもムッとする。
そんな余裕ぶってばっかりいると、私がいつかやり返した時後悔するよ。