あの日失くした星空に、君を映して。
「まただ…」
私と深影の家を区切る塀の右側。
私の家には明かり1つついていない。
左側の深影の家はポツポツと明かりがついていて、おじいちゃんが家にいるんだってすぐにわかった。
お母さんは…今日も帰ってきてない。
夜遅くになったら帰ってくるのだろうけれど、やっぱりたまには早く帰ってきてほしいな。
寂しい。
ちょっとした孤独感に襲われて、きゅっと手に力を込める。
「俺ん家に来るか?」
「ううん…いい」
深影の家に行っちゃうと、帰る時がもっと寂しい。
お母さんにおかえりって言いたいから、帰らないなんて選択肢はないもん。
名残惜しくなっちゃうから、行かない。