あの日失くした星空に、君を映して。
寂しいけれど、我慢。
自分に言い聞かせながら手を離そうとすると、逆にグッと握り返された。
「深影?どうしたの?」
「行こう」
「行こうって…ちょ、待って!」
なぜか自分の家を素通りして私の家の前まできた深影。
わけがわからなくて立ち尽くしていると、反対の手を差し出された。
なに…?
「鍵」
「へ…鍵?」
なんで鍵?
不思議に思いながらもポケットの中から家の鍵を取り出して手渡すと、すぐに玄関のドアを開けて深影が中に踏み込んだ。