あの日失くした星空に、君を映して。
あ……………
深影の視線の先。
机の横の棚に置かれた淡いちりめん模様の布地。
その上にポツンと置かれているのは
おじいちゃんにもらった万華鏡。
「…これが万華鏡だよ」
中身を詰めたビンと筒を手に取る。
ガラスから鏡まで、内部の部品全てが砕けてしまった万華鏡は、鮮やかな模様の彫られた外装さえも薄れて見えた。
職人さんの手にかかれば直せないわけじゃないらしいのだけれど、これをおじいちゃん以外の人に直してもらいたいとは思わなかった。
ずっと仕舞い込んでいた万華鏡をここに来てからは棚の上に飾っていたんだ。