あの日失くした星空に、君を映して。
サイズが小さいから深影の手にすっぽりとおさまる。
手のひらに乗る万華鏡をマジマジと見つめる深影を、私がジッと見てしまう。
万華鏡知らないって珍しくない…?
あ、いや、深影は触ったことがないだけか。
どんなものなのかは知ってたもんね。
「これ、直せんの?」
「直せると思うけど、それはそのままでいいの」
壊れたままでいい。
今はもう万華鏡を見ても罪悪感ばかりに捕われるわけじゃないから。
あの日散らばった世界が脳裏を過ぎる。
私が回す世界は綺麗なだけじゃないけれど
色んなものに埋もれても、輝き続ける“何か”を手放さないでいられる。
一番大切なものを見つめていられる。
それでいいんじゃないかなって思ったの。