あの日失くした星空に、君を映して。


「誰?」


「あ、友達。さっきの写真の」


似てるんだよ、私と佐山さんは。


勝手な分析ばかりして佐山さんを見定めてた頃の自分が馬鹿馬鹿しくなってくる。


苦手なタイプだから関わりたくないって思ってたのに、中途半端に関わられたら離れるのが惜しくなるなんて、馬鹿みたい。


嫌なところばかりが見えているんだって自覚はあったけれど、この町に来て初めて佐山さんのいいところにも気づいた。


友達ができて、恋を知って。


いつか佐山さんがよく言っていたような感情を抱くようになって、ようやくあの頃の佐山さんの気持ちがわかった気がする。


わかってたつもりだっただけで、何も知らなかったのは私の方だ。


< 336 / 427 >

この作品をシェア

pagetop