あの日失くした星空に、君を映して。
*
「ん……」
誰かの声が聞こえた気がして、うっすらと目を開ける。
真夏だってことを感じさせないくらい肌寒くて、手探りで引き寄せたブランケットをかぶる。
寒い…ってことはもう朝なのかな。
昨日は…どうしたんだっけ?
春霞屋にお風呂に入りに行って…深影と一緒に帰ってきて…
私の家に深影が来たんだっけ?
なんかすごいお腹とかくすぐられたような気がする。
重力がまぶたに集中したみたいに重くて、目が開かない。
ブランケットじゃ足りない、寒い。
ついさっきまで傍にあったはずのぬくもりを求めて手を伸ばすけれど、冷たい空気を掴むだけ。