あの日失くした星空に、君を映して。


え………?


ビックリしたのはお母さんが私の話を遮ったからじゃない。


泣きそうに顔を歪ませたお母さんを見て、ビックリした。


何を言われるのかわからない。


わからないからこそ、不安で足が震える。


だってそんな顔、絶対ちょっとしたことじゃないでしょ?


何とかテーブルを挟んでお母さんと向かい合う。


お母さんは押し黙ったまま何も言わない。


ぼんやりと明るい室内に落ちる沈黙は親子の間であっても気まずさしか生まなかった。


「最近、お母さん帰ってくるの遅いでしょう?」


「うん」


遅い、どころじゃない。


遅すぎるんだよ。


仕事が長引いたからってここまで時間が下がるわけがないって、私ももう気づいてる。


< 345 / 427 >

この作品をシェア

pagetop