あの日失くした星空に、君を映して。
どうしよう、どうしたらいい?
さっきお母さんが言ったことがぐるぐると頭の中を回る。
『引っ越しをしないといけない』
大谷田さんは隣町から仕事でこの町に来ることが多くて、お母さんが手伝っている店の常連客だったらしい。
懇意になった矢先、大谷田さんが仕事の都合で少し離れた所に引っ越しをすることになったって。
急な話ではないのだけれど、今年中には引っ越しを済ませておきたいということで、お母さんに打ち明けたのだと言っていた。
話を聞いた限りでは、お母さんは大谷田さんの引っ越しについて行きたいんだよね…?
これから先の話も少しずつしているらしく、大谷田さんの方は私のことを知ってるって。
自分の知らないところで色んな話が進んでいたことなんてもうどうだっていい。
ただただ、お母さんが告げたことの全てが頭の中に響いていた。