あの日失くした星空に、君を映して。
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新学期。9月に入ってすぐのこと。
8月中旬にダラダラと再開された学校生活にリズムを崩したのか、最近少し体調が悪い。
それだけが原因じゃないとは思うけれど。
「んじゃ、毎年恒例文化祭の企画よろしくー決まるまで帰んなよ」
パタンとドアが閉まる音がして、一気に教室の中が騒がしくなる。
伏せていた顔を上げると、顔面に冷風がかかった。
エアコンの風が直撃するこの席、夏だしラッキーくらいにしか思っていなかったけれど、今は悪寒の元。
ゾクリと鳥肌が立つのを感じて、自分の体を抱き締める。
「鏡華どうしたん?寒い?」
「ううん…平気」
ごめん深影、嘘だよ。
寒いけれど、皆は暑いだろうし私が我慢すればいいだけだ。