あの日失くした星空に、君を映して。


「見んなって」


「あっ」


開いたままのアルバムを上からあっさりと奪われる。


そのまま手の届かない所まで高く上げられて、仕方ないから諦めた。


「ケチ。深影可愛かったよ?」


「うるさい。嬉しくないけんな、それ」


あ、そのちょっと不機嫌そうな顔。


写真の顔と似てる。


当然といえばそうなのだけれど、深影はあまり乗り気じゃなかったのかな。


よく似合ってたのに…


男の子だし、可愛いって言われても嬉しくないのか。


不貞腐れた顔の深影はそのままアルバムを戻しに行った。


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