あの日失くした星空に、君を映して。


いつの間にか田畑さんがメモ用紙を持って色んな人に案を聞いて回ってる。


ジッとその様子を見ていると、気づいた田畑さんがこっちに来てくれた。


「戸塚さんの前の学校は何したん?」


「んーと…焼きそばだったよ」


調理と接客だけの簡単な模擬店だった。


それも他のクラスとかぶってたせいでお客さんが少なくて暇だった気がする。


私文化祭の時は確か図書館でサボって…いや、休んでたし。


参考になるのかならないのかいまいちわかんないな。


前の学校では文化祭が11月だったけれど、この学校の文化祭は10月。


聞けば、この地方は10月でもそうとう暑いらしいし、熱気が篭るものはやめた方がいいと思う。


「焼きそばかぁ…なるべく冷たいのがいいんよね…」


「あ、やっぱり?」


熱いと作る方も大変だもんね。


「うん、でも他のクラスもそんな話してるやろうけんさ。お客さんのこと考えると冷たすぎず夏に人気のものとかあるかな」


うーん…そう言われると難しい。


あんまり冷たいものばかりだとお腹壊しちゃうかもしれない。


季節感を残して、他のクラスとは一味違う感じがいいのかな。


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