あの日失くした星空に、君を映して。
「深影のことが心配なんよ」
何度か視線をさ迷わせた後、意を決したように美里さんが私を見る。
「心配…?」
「そう。深影さ、いつも通りに見えるけどばあちゃん亡くなってからまだそんなに経ってないやん。できれば、離れんで欲しかった」
美里さんに言われて、ハッとした。
おばあちゃんが亡くなって、まだ4ヶ月。
おばあちゃんの葬儀後の2人の憔悴しきった顔を思い出す。
おじいちゃんも深影も違和感がないくらいに前と同じように振る舞っているから、それを気にかけることが減っていった。
でも……そうだ。
忘れちゃいけなかった。
私は離れても大丈夫かってことを心配してはいたけれど、意味が違う。
今になって気付いて動揺する私に、美里さんが小さくため息をついた。
「今更言っても仕方ないし…そもそも家の事情やしな。それでもうちらじゃ埋めれんところもあるけん、やけん…さ…」
ぐっと唇を噛んで美里さんが口を噤む。
「美里さ…」
「こんなん言いたくないけど、深影のことだけは頼むけんな」
真剣味を帯びた瞳を向けられてごくりと息を呑む。
やっぱり、美里さんが深影のことをすごく想っているんだってわかる。
それでも譲れなくて、美里さんを前してぎしりと胸が軋んだ。
「ごめんね」だけは言っちゃいけない。
だから…
「ありがとう、美里さん」