あの日失くした星空に、君を映して。


「電話したんやけど、行かんって」


「え……」


「まあでも心配せんでいいよ」


するよ!


さらっと気になるようなことを言っておいて、ニヤニヤしてる風香。


行かんって…なんで?


私、深影に何かしたかなぁ?


そういえば最近メールもどこか素っ気なかったり、電話も上の空だったり…


もうすぐ会えるからってあまり気にしていなかったけれど、まさか会えないなんて。


思い当たる節がないかもんもんとしながらバスに乗り込む。


町につくまでの間も、隣に座る風香はずっとニヤニヤしていた。


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