あの日失くした星空に、君を映して。
「ね、深影、私聞きたいことがあるんだけど」
「ん?なに」
顔を伏せたまま、一度だけ口を噤む。
答えてくれるかな。
「すっげーことってなに?」
永田くんが言ってたこと、結局教えてもらえなかったから。
工藤くんは絶対に口を割らないだろうし。
「まだそんなこと気にしとんの?」
「気になるよ。教えて?」
深影だって覚えてるんじゃん。
すっげーことって言っただけでわかるって、しっかり覚えてるってことでしょ?
うーん、と悩むような声が頭上で響く。
やっぱり、深影背が伸びたな。
前は私の頭に顎を乗せるとちょうどいい感じだったのに、今はちょっとキツそう。
急かさずにじっと待っていると、観念したように深影が口を開いた。
「俺の、って言っただけ」
「へ?」
今、なんて言った?
びっくりして自分の顔がひどいことになっているのも気にせずに深影を見上げる。
微かに頬を染めた深影が「見んな」って言いながら私の目元を覆った。
「も、もう1回!」
「うるさい。二度と言わん。たたでさえ永田とかクラスの奴らにからかわれてんのに…もう忘れろ」
照れてる……?
忘れられるわけがないよ、はっきり聞いちゃったもん。
自然と頬を緩ませると、照れ隠しなのか何なのか、むにっとつままれた。