あの日失くした星空に、君を映して。
「深影、深影、もう1回」
負けじとからかうようにねだる。
「うるさい」
「お願い」
「しつこい」
「お願い、ねえ」
何度も言い合って、深影が本当に嫌そうな顔をしだしたからそろそろ諦めようかなって思った時。
素早く後ろ頭に回された手に力が込められた。
「えっ…みか…っん」
顔を上向かされて、降ってきた口付け。
触れるだけのものがだんだんと唇をついばんだりしてきて、息が上がる。
苦しくて深影の胸を押すと、不満そうにしながら離れてくれた。
「み…かげ…」
酸素を肺いっぱいに取り込んで、さっきとは別の涙が滲む目で深影を見る。
また1つ掠め去るようにキスをされて、そのまま耳元に顔が寄せられる。
「ずっと好き…?」
耳元で囁かれたのは、引っ越し前夜に聞いた響き。
けれどちょっと違う。
私はそれに答えるように真っ直ぐに深影を見上げて笑った。
「大好きだよ」