あの日失くした星空に、君を映して。
「よい…しょ」
チェックが終わったのか、佐山さんが自分のリュックを背負ってノートの山を持ち上げる。
その瞬間
「っわ!あっ…あーあ…」
バランスを崩した佐山さんの腕から、ノートが散らばった。
一度に持とうとしたらそうなるよ…
往復するのが面倒なのはわかるけれどさ。
ふぅ、と深呼吸をして佐山さんに歩み寄る。
ノートをかき集める佐山さんの隣にしゃがんで、同じようにノートを集めた。
「あ、ありがとう!それ、上に乗せて?」
今度は大丈夫、と言いたげに差し出された腕を無視して、ノートを持ったまま教室を出る。
ここまでやって、一人任せになんかできない。
かさばると重いの知ってるし。