あの日失くした星空に、君を映して。


「戸塚さん、待って!あたしが…」


「別にいいよ。靴箱行くのに通るから」


行く途中に職員室があるんだから気にしなくていいのに。


「でも…」


「いいって」


ちょっとしつこいくらいに頑なに引き下がらない佐山さん。


もしかして…


「友達は手伝ってくれないもんね」


「えっ?」


図星…というかこの反応は絶対そう。


「無条件にこういうことされると信じられない?大丈夫、後で何か請求したりしないし」


まさかとは思うけれど、クラスの中でそういう掛け合いを見ることは少なくない。


『手伝って』

から

『いいよ。その代わり何してくれんの?』

ってくだり。


それ友達同士の会話?って思うような掛け合いが、佐山さん達の間でもあるのかな。


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