あの日失くした星空に、君を映して。
さっきまで泣いてたのが嘘みたいに深影のペースに飲まれて、手を離された時、思わず自分の意思で笑ってしまった。
泣き顔よりも笑顔の方がいい。
深影がそう言ってくれるだけで、自然と笑えた。
なんで、ただ笑えることがこんなにも嬉しいんだろう。
深影が触れるだけで、私の世界がコロコロと変わっていく。
私が嫌いな、万華鏡みたいに。
何通りかに縛られた万華鏡じゃなくて、たった一度きりしか見られない模様だってある。
深影が回す万華鏡は、そんな世界だった。