あの日失くした星空に、君を映して。
〜♪〜♪
お風呂上がりに髪を乾かしていると、携帯が鳴った。
珍しいな、電話なんて。
着信相手の表示を見て頬が緩む。
話すのは引っ越し以来かも。
「もしもし、佐山さん?」
『戸塚さん!久しぶりー!』
通話に繋げた途端に元気な声が聞こえてくる。
『元気にしてる?』
「うん、佐山さんは?」
『もちろん!元気だよ』
そっか、よかった。
佐山さんには春休み中に引っ越しをすることを伝えた。
高橋さんと一緒に見送りにも来てくれたけれど、それ以来連絡を取ってなかったもんね。
2人とは連絡先を交換したけれど、なんとなく自分からは電話とかしにくくて。
『もうそっちには慣れた?』
「だいぶね。いい所だよ」
もう4月も終わる。
小学校からほぼ同じメンバーだというクラスメイト達の輪にもだいぶ溶け込んだと思うし、深影や風香、工藤くんの3人とは常に一緒にいる仲だ。