あの日失くした星空に、君を映して。
ザァァァァァァァァァ
「これは…すごいね台風並みやん」
さすがの風香も外に出ると顔を引きつらせる。
滅多にないよこんな雨。
これで天気予報は晴れだったんだから、あのニュース番組は信用できない。
「もう行くぞ」
「深影!?」
思い切って走り出した深影の後を風香が続く。
わ、私も行かないとその…何だっけ春霞屋さんがどこにあるのかわからない。
「工藤くん、行くよ!」
未だに嫌そうな顔の工藤くんの手を引いて走り出す。
「ちょっと…鏡華…」
絶対本気で走れば私より早いはずなのに、手を引く私に合わせて走ってくれる工藤くん。
ちょっとずつ話すようになっても相変わらず不思議だなって思うけれど、こういうところは優しい。