あの日失くした星空に、君を映して。


「こういう仕事で残る時、あたしの時だけ皆先に帰っちゃうし、避けられてる気がするの」


避けられてる、“気がする”。


気がするって言い方あんまり好きじゃないんだ。


自分の身のことなんだから把握しろって…言えるわけない。


そういう曖昧ラインがあるのも知ってるから。


「気のせいじゃなくて?」


「多分…間違いないよ」


そこまで言えるならもう離れればいいのに。


いったん踏ん切りがつけば簡単なのに、難しいよね…


「ま、もうすぐクラス替えあるしさ。あんまり考え込まなくていいんじゃない?」


この学校は1年時と2年時にクラス替えがある。


3年になるとコースを変える人以外は2年のクラスのままだから、そこでも同じクラスになった時は…最悪…かな?


「うん…ありがとう戸塚さん」


なんか今日は佐山さんにお礼を言われてばっかりな気がする。


佐山さんとちゃんと話すのって初めてかも。


だからって仲良くしようとは思わないけれどさ。


私には1人ポジションがちょうどいいの。


< 9 / 427 >

この作品をシェア

pagetop