ある本当の物語.【実話】
そうじゃ、言い忘れておった。

わしは祭司じゃ。

祭司とは主の神殿(しんでん)で勤めてる者のことである。

毎週くじを引いて、当たった者は主の聖所に入って香 (こう)をたくことになっている。

我々の主とはこの世界、そしてそこに住むすべての生き物たち、太陽や月、海や空、宇宙までも作られたすごいお方じゃ。

神殿に着いた時、もうすでに他の祭司たちは集まっていた。

皆、黒い祭司用の服を着て、少し怒っているような顔をしていた。

もちろん わしも、エリサベトが用意してくれた服を身につけていた。
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