君なりの愛が
一ヶ月に一度、父と兄と私で母の病室を訪ねた。

「あらぁ、わざわざありがとう!」
病気であることが嘘かのように、母は明るくて元気に見えた。


ハルカ、テストは大丈夫なの?

ヒロミは彼女できた?

あなた、私がいなくても部屋は散らかしてないわよね?


和やかな空気に包まれて会話を楽しめるこの時間が何よりも楽しかった。


―抗癌剤の効果が期待できなくなり、医師から余命宣告を受けていたことはまだ知らない。
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