ごめんね、ありがとう
「話ってなによ。」


部屋に入っても、夏音はこの調子。


もう一回アタックするって決意したものの

さすがに参るわ。


深呼吸をして息を整える。


「俺と付き合って。」


「無理。」


そ、即答。まあ予想はしてたけど

「あなたと付き合うと

私自身、傷つかないといけないし

なにより、親友に迷惑がかかる。」


親友って鈴木だよな。

「俺、鈴木と話したよ。

たくさん泣いていたらしいな。本当ごめん。」


「なっ!」


「鈴木に殴られて、泣かれて。

それでやっと、夏音がどれだけ傷ついてたか知った。

正直、もう諦めようとも思った。


けどさ、俺やっぱり夏音じゃないとダメなんだ。」


「私じゃなくても、彼女のふりをするくらいなら誰でも出来るよ。」


やっぱ、そう簡単には心を開いてくれない。

それなりのことしてきた俺が悪いんだけど。


< 18 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop